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有料老人ホームの看護師は何する?実際に働いて分かった仕事内容と病院との違い

有料老人ホームで働く看護師の実体験から、日勤の流れ、処置、介護職との役割分担、体調変化への対応、病院との違いを紹介します。

有料老人ホームの求人票を見ても、「健康管理」「服薬管理」といった言葉だけでは、一日をどう過ごしているのか想像しにくいと思います。わたしは病院で数年働いたあと、有料老人ホームへ移り、今も施設で看護師として働いています。ここでは、わたしが実際に担当している仕事と、病院勤務との違いを紹介します。施設によって人員体制や業務範囲は異なるため、あくまで一つの勤務例として読んでください。

この記事の内容
  1. わたしが働いている有料老人ホームについて
  2. 日勤の一日の流れ
  3. 毎日行う仕事と、日によって発生する仕事
  4. 介護職との役割分担
  5. 体調変化があったときの動き方
  6. 病院と比べていちばん変わったこと
  7. 入職前に想像していなかったこと
  8. 実際に働いて大変だと感じること
  9. 施設看護で役立っている病院勤務の経験
  10. 施設看護で必要だと感じる力
  11. 転職前に確認しておきたい3つのこと
  12. まとめ

わたしが働いている有料老人ホームについて

わたしが働いている施設には、フロアが3つあります。看護師は1フロアを見て回り、1フロアには最大で約30名が入居できます。入居者さんの平均介護度は2〜3くらいです。

数字だけを見ると、「約30名を看護師がすべて見るのか」と思われるかもしれません。ただ、日常の生活援助は介護職の方が担っているため、看護師がすべての仕事を抱える形ではありません。

同じ有料老人ホームでも、規模、入居者さんの状態、看護師の人数、介護職との分担によって仕事内容は変わります。この記事で紹介する内容は、わたしが働いている施設での実例です。

日勤の一日の流れ

わたしの日勤は9時から18時です。出勤したら、まず申し送りを受けます。前日から夜間にかけて何かあったか、体調に変化のある方がいるか、といった情報を確認します。

そのあと、入居者さんの部屋を順番に回ってバイタルを測ります。日勤のなかでいちばん時間を使う部分であり、同時に一人ひとりの様子を見る時間にもなっています。

記録は、基本的には関わったあとすぐに行います。時間がなければ、別のタイミングで入力します。わたしの職場ではスマートフォンやタブレットを使うため、パソコンの前に座らなくても、その場で記録を残せるところが助かっています。

文字にすると、決まった流れはそれほど多くありません。病院の日勤と比べると業務の種類は少ないと思いますが、その分、入居者さんを「見る」ことに時間を使っている感覚があります。

毎日行う仕事と、日によって発生する仕事

毎日必ず行う看護業務は、バイタル測定です。そこへ、その日に必要になった仕事が加わります。例えば、転倒があったときの観察とバイタル測定、発熱があった方の再検などです。

処置には、胃ろうやインスリン、軟膏の塗布、爪切りなどがあります。点滴はありません。

病院にいたころと比べると、手を動かす処置の量は減りました。採血や点滴、吸引を何件も続けて行うような日はありません。医療処置を多く経験したい人は、物足りなさを感じるかもしれません。

介護職との役割分担

わたしの職場では、移乗介助、排泄介助、食事介助などは介護職の担当です。役割分担は比較的はっきりしています。

一方で、介護職の方から相談を受ける場面は多くあります。「この方、今日は少し様子が違うのですが」と声をかけてもらうところから、看護師の仕事が始まることもあります。

入居者さんの日常をいちばん近くで見ているのは介護職の方たちです。その気づきを看護師が受け取り、状態を見て次の対応を考えます。この連携がうまくいくかどうかは、施設看護師として働くうえで大きな部分だと思っています。

体調変化があったときの動き方

転倒があったときは、まず状況を確認してバイタルを測ります。どこをどのように打ったのか、意識の状態はどうか、痛みがあるかなどを確認します。

発熱や体調変化があったときは、多くの場合、まず様子を観察します。その後、時間を空けて再検し、経過を見ながら判断していく形です。

緊急時には施設の対応フローがあるため、それに従います。自分の判断だけで動くわけではなく、決められた手順があることが前提です。転倒があったときや看取りの場面などでは、ご家族へ連絡することもあります。

病院と比べていちばん変わったこと

病院勤務との違いを聞かれたとき、わたしは「医療がメインではない」と答えています。病院では、点滴、処置、検査などの治療が中心にあり、その周りに看護があるという感覚でした。

施設では医療的な処置が限られ、その代わりに、観察して、気づいて、判断することが仕事の中心になります。派手さはありませんが、これが施設看護の中心だと感じています。

処置が少ないことと、看護師として考える場面が少ないことは同じではありません。使う技術と、負担がかかる場所が病院とは違うのだと思います。

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入職前に想像していなかったこと

働き始めてから想像していなかったと感じたのは、入居者さん同士の人間関係です。施設は生活の場なので、入居者さん同士で仲のよい方もいれば、そうでない方もいます。関係が悪くなると、日々の過ごし方にも影響します。

そのため、スタッフ同士の関係だけでなく、入居者さん同士の関係にも気を配る場面があります。病院では、患者さん同士の関係へここまで意識を向けることはありませんでした。

入院は一時的なものですが、施設はその方が暮らし続ける場所です。この違いは、実際に働き始めてから強く感じました。

実際に働いて大変だと感じること

いちばん大きいのは、病院と比べて看護師が少ないことです。そのため、頼られる場面や判断を求められる場面が多くなります。

病院では迷ったときに隣の先輩へ聞けましたし、医師も同じ建物にいました。施設では、その場にいる看護師が状態を見て、次の動きを考える場面があります。

これを「任せてもらえてやりがいがある」と感じるか、「一人で背負うのがしんどい」と感じるかは、人によると思います。わたしは前者に近いですが、病院を出たばかりのころは緊張感がありました。

処置の量が少ないことから「施設は楽」と考えるのではなく、判断を求められる場面も含め、仕事内容を全体で見ることが大切だと思います。

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施設看護で役立っている病院勤務の経験

今の職場で役立っていると感じるのは、病院で多くの患者さんを見てきた経験です。数を見てきたからこそ、「この状態は普段とは違う」という感覚が働きます。

アセスメントの経験や、急性期で身につけた判断力も、施設で判断を求められる場面に生きています。

施設へ移ると技術が落ちるという不安はよく聞きます。手技という意味では、確かに使わなくなるものがあります。ただ、見る力や判断する力は、働く場所が変わっても残るものだと思っています。

施設看護で必要だと感じる力

わたしが必要だと感じる力は二つあります。一つは、任されたことを引き受ける責任感です。看護師が少ない環境では、判断を任されることにプレッシャーを感じる人もいると思います。

もう一つは、数値以外の変化を感じ取る力です。バイタル測定はしますが、血液検査、エコー、心電図など、病院で行っていた検査を施設内で行うわけではありません。

病院と比べると異常を見つける手段が限られるため、普段の様子との差をどこで感じ取るかが大切になります。

転職前に確認しておきたい3つのこと

一つ目は、入居者さんの平均的な介護度です。介護度や認知症の状態によって、必要になる見守りや対応は変わります。わたしは、歩行器などで歩けても、一人では転倒リスクがある認知症の方への対応を特に大変だと感じます。わたしの施設では、転倒リスクがあっても身体拘束を前提とした対応はしません。

二つ目は、介護職との連携です。看護師と介護職の関係がよくない職場では、必要な情報が伝わりにくくなる可能性があります。見学時に、スタッフ同士がどのように声をかけ合っているかを見ると、雰囲気をつかみやすいと思います。

三つ目は、業務を効率化する設備があるかどうかです。例えば、見守りセンサーがあるかどうかで、特に夜間の負担は変わります。わたしの職場には見守りセンサーがあり、実際に助かっています。

給与や休日も大切ですが、この3点は働き始めてから日々の業務に影響します。求人票だけで分からない部分は、見学や面接で確認することをおすすめします。

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まとめ

わたしが有料老人ホームで担当しているのは、バイタル測定、服薬、記録、胃ろうやインスリンなどの処置、体調変化があったときの観察と判断です。生活援助は介護職の方が担っています。

病院といちばん違うのは、医療処置よりも、日々の観察と判断が仕事の中心になることです。処置の量は減りましたが、看護師が少ない分、頼られる場面は増えました。それを負担と感じるか、やりがいと感じるかは人によると思います。

同じ有料老人ホームでも、人員体制や業務範囲は違います。転職を考えている場合は求人票だけで判断せず、見学へ行き、自分の目で確かめることが大切です。

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